のぞき穴 第五回 そばにある、水。
身近にある水という存在
行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しく止まる事(ためし)なし。
世の中にある人と栖(すみか)と、またかくの如し。
覚えていますか?
中学あるいは高校の頃に暗唱した、古典文学「方丈記」の冒頭部分。
皆さんも一度は目にした・耳にした・口にした事があるかと思います。人の世に無常を感じ出家した著者:鴨長明。世俗と離れ暮らす事を手に入れたが、方丈の草庵で安住できない。苦渋に満ちた生活を綴った随筆です。
冒頭部分だけではわからないかもしれませんが、全文を読むととても視覚的で具体的。リズミカルな文章。現実を見つめる著者の視線。
長く愛されつづける名文だと思います。
さて、今回は文章に対するレビューを。というわけではなく、いかに「水」が私達のそばにあるかを書きたいと思います。
この「方丈記」のように、「水」という言葉は古典文学に限らず、ことわざや故事成語、慣用句などに多く登場します。
覆水盆に反らず・焼け石に水・背水の陣・魚心あれば水心・雨垂れ石をうがつ・立て板に水・年寄りの冷や水・国敗れて山河あり・水の泡・水は方円の器に随う・我田引水・鏡花水月・
(余談:この中なら、「雨垂れ石を穿つ」これが一番好きですね。そんなに努力家じゃないけど。)
いい意味のものも、悪い意味のものもありますが、例えに多く使われるのはそれだけ身近にあるという証拠。
水は水道水に限らず、川や海、降ってくる雨も水。わたしたちの身の回りにありふれて存在するもの。当たり前のように、そこに”ある”のが水です。
より文化的に生活するために
世界の古代文明も大きな河川の流域を中心に栄えたように、人は水と共に生きていく生き物なのかもしれません。
「水は文化のバロメーター」と言われることがあります。
文化的な生活をおくろうとすればするほど、水の使用量が増えます。
生活に必要な水は、洗濯・洗面・食事・風呂・掃除・トイレ等で日常的に使う他に、産業用・農業用としても多く使用されます。
牛や豚を飼育したり、野菜や穀物を育てるのにも水は必要。大きな病院やホテルなどでも毎日水は使われます。それらを含めると、先進国では1人1日あたり400〜500リットル使用していることになるそうです。
わたしたちが普通に生活している上で、1日にこれほど水を使う事は無いかもしれませんが、毎日使われている水の量はこんなにも沢山あるんですね。
水はすぐそばにあるとは言え、わたしたちが使える水は、貴重な資源です。沢山あるように見えて、日本は2/3が山という地形から、なかなか水資源を有効に利用できているとは言いづらいと思います。河川をせき止めてダムを設け有効利用してきましたが、水道の取水源の25%程度にしか過ぎません。取水源のトップは河川で、全体の43%を占めています。また、井戸は深いもの・浅いものをあわせて全体の22%を占めています。
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蛇口をひねれば、当たり前のように流れ出る水道水。有効に利用するのが難しいのも現実です。大切な資源を守るためにも、今日から蛇口をひねったら、ほんの少しひねりを返して、節水してみるのはいかがでしょうか。
岡田工業叶ン備部 S.